札仙広福の地価と積雪の関係
こんにちは!専業主婦から不動産鑑定士になった藤田です。
「札仙広福」(さっせんひろふく)とは、札幌・仙台・広島・福岡のことです。三大都市圏には含まれませんが地方の政令指定都市であり、ここ数年で地価の上昇基調を強めている地域です。今回は、この「札仙広福」の地価と人口密度と積雪量との関係を調べてみました。
降雪量と地価の関係 (全国)
「地価と積雪の関係 北海道」でも書きましたが、地価はいろいろな要因が複雑に組み合わさって価格を形成します。
需要と供給との関係から、人口密度は重要な地価の価格形成要因になっているのは間違いないですが、「積雪量も地価に大きな影響をおよぼしている」と考えています。
今回は政令指定都市である、札幌・仙台・広島・福岡の令和2年地価公示(住宅地)の平均価格と人口密度と累積降雪量(令和3年3月7日気象庁HP)を調べてみました。
都市 | 令和2年公示地価・住宅地(㎡/円) | 人口密度(人/㎞2) | 累積降雪量(㎝) |
札幌市 | 78,800 | 1,760 | (中央区)325,(南区)502 |
仙台市 | 97,200 | 1,388 | (青葉区)334,(宮城野区)66 |
広島市 | 132,600 | 1,322 | 2 |
福岡市 | 161,800 | 4,666 | 4 |
札幌市(豪雪都市)は、「札仙広福」の中では人口は197万人と4都市トップで、人口密度も2番目ですが、地価を見てみるとは78,800円と断トツに低いです。(北海道の地方都市に比べればかなり高いのですが・・)人口160万人で人口密度が4都市トップの福岡市(雪がほとんどふらない)と比べると半分以下です。
仙台市(雪が積もる)と、広島市(雪がほとんどふらない)では、人口密度は同程度ですが、地価は広島市が仙台市の1.36倍になっています。
地価は単に人口密度が高くなればなるほど高くなるという訳ではなく、歴史的な背景などの他、やはり積雪量も関係がありそうな気がしませんか?
札幌市の2020年の除雪費は過去最大の220億円とのことです。そこで考えたのですが「地価と人口密度には正の相関関係があるが、豪雪地帯においては除雪費というマイナス要素が右上がりの供給曲線(Y=aX+b)を下にシフトさせ、結果、豪雪地帯の地価を低くしてしまうのでは?」という自論にいきつきました。(イメージは下記PDF参照してくさだい)
ただし、豪雪を逆手にとってプラスに変えた「倶知安町」などの例外もあります。
※札幌市と仙台市の累計降雪量をみると、同じ市の中でも区によって降雪量にかなりの差があるのにびっくりです!